1990年より開始された東京佼成WOによる『ジャパニーズ・バンド・レパートリー』。これまでにも真の意味で《広範囲》に渡る数多くの作品を紹介してきた本シリーズも、今CDで第9集となる。
このディスクで最も作曲年が古いのは、戦後日本の《前衛》を切り拓いた実験工房時代の武満の曲。同時代の作品群はその支流にあるとも言えると思うのだが、今回収録されたそれ以外の楽曲は、ここ15年以内に書かれたものばかりである。その中で作曲年が最も古い西村作品(改訂前)が作られたのが、まさに1990年であるというのは感慨深い。
今回楽曲を提供しているのは、いずれも吹奏楽以外の世界でも評価の高い6名の作曲家。そして、今回タクトを取ったのは、戦後日本の音楽シーンをリードしてきた岩城宏之である。
まさに過去の脈流に根ざした現代日本の音楽が、ここにある。
中橋愛生(ライナーノートより) |